大阪IR&2025関西・大阪万博の会場予定地「夢洲」。
▼夢洲の埋立は「最終処分地が必要」が、そもそものスタート。
オリンピック招致(1992年以降)のため、埋め立てたわけではありませんのでご注意を。
一般廃棄物の処分場不足や、
市内公共工事で発生する大量の建設残土、浚渫土砂(※)を処分する処分場を確保するため、1977年、護岸工事に着手。
※港湾・河川などの底面をさらった土砂。
夢洲には、高度成長期の工場排水等の浚渫土のため、ダイオキシン・PCB・ヒ素・フッ素・鉛等の有害物質が含まれる。
大阪市が唯一もつ、現役の最終処分地、夢洲…。
最終処分地として、大活躍中です。
(あと10~20年と使えたはずが、万博で埋め立てたため、寿命は縮まりましたが)
まだ登記上は陸地ですらない。「海」ですし。

▼処分場には限りがある
大阪市が埋立できる海は、あと下図の太赤丸あたりしか残っていません。
夢洲に高層建築物などを開発すれば、大量の残土・汚泥が発生します。
(IR事業用地だけで、約300万㎥!の残土・汚泥)
ここで気になるのが
「最終処分地・夢洲に捨てた土砂を、開発で掘り返して、いったいどこに捨てるのか?」問題です。
夢洲(無料)で収まらなければ、新島(有料)の処分地へ…。
新島の次は、太赤丸部分の1か所が最後です。
数千億円単位でかかる「新しい最終処分場」への投資を「前倒し」せざるを得ません。

万博・カジノのために、無理くり急速埋立していいのか…。
従来の物流拠点の拡充なら、そのまま盛土して使えるのに。
将来世代の最終処分場を奪っているんですが。
▼土地改良費にどんだけ?
夢洲は開発するほど、コストが増える
護岸設計や埋立方法も、高層の集客施設を作ると想定されていません。
夢洲は豆腐のような軟弱地盤と言われる場所。
(50m級の杭を何本も打つ必要あり。ちなみに、WTCで400本)
その上に埋めた建設土砂・浚渫土砂の土壌汚染も懸念。
(アスベストの入った建設土砂、ダイオキシンの入った焼却灰、高度成長期の川・海の底の土砂…)
災害対策として、津波・高波・越波対策も必要。
東日本大震災では、津波の1.5倍~4倍もの遡上高が発生。
(ここは想定されていない)
急速埋立のため、水抜きも不十分。
メタンガスもこれからまだまだ出るので、防爆対策も必要。
液状化も懸念。
(対策はしてるものの、阪神淡路大震災で六甲アイランドは液状化し、大丈夫だったはずの護岸が崩壊)
地盤沈下も、人工島の宿命。
(50年は大丈夫と書かれてるけど、大阪IRは65年のライセンス)
参考:【報道紹介】夢洲は人工島の宿命「地盤沈下」は避けられない。水中ではコンクリートも「もなかの皮」のようなもの~テレビ大阪21/9/22
地中障害物撤去も必要。
(万博部分は調査もまだ。何が埋まっているのか分かりません)
ついでに言えば、万博会場の「グリーンワールド」=夢洲1区は、過去の大阪市との協議で
「有害物質があるから万博会場には使用しない」
としていたのに、いつのまにやら万博会場に…。
(車での来場客は必ず通ります。エントランス、屋外イベント広場、フューチャーパーク等に利用)
今だメタンガスは止まっておらず「立ち入りできない」場所。
「使わないはずだったのに、なぜ万博会場に使うことになったのか?」
その経緯を情報公開請求しても、「文書がない」との回答です。
▼(松井市長 2016年12月)
「IRは民設民営事業なので、公でお金を出すものではない」
(吉村洋文知事、2021年7月21日)、
「事業者がお金を払って建ててくれる。市は家賃をもらうだけ」
(松井一郎市長、20年10月23日)
松井市長が「大阪市の土地だから対応するのが当然」との発言から、大阪市の負担・将来リスクが格段に増えました。
これまで土地改良について、大阪市は費用負担したことがありません。
なぜ急に、大阪IR以降、大阪市が負担することになったのでしょう?
その経緯の資料は黒塗り。いまだ、明らかになっていません。
負担する、と最近分かったのが、IR事業用地の土地改良に790億円かかること。
しかもIR事業用地だけでない。万博跡地の開発も…。
含めると、夢洲の土地改良費だけで、1582億円。
(過去の投資は含まず、これからの予定だけで)
全体で2482億円。。。

2482億円とは、大阪市年間税収(7500億円)の1/3の規模。
大阪市民一人当たり、約9万円の負担です。
想定外に、今回IR事業用地に790億円増
想定外に、メトロ延伸も96億円増
想定外に、万博へのアクセス改善のための淀川左岸線は、土壌汚染のため700億円増
…
想定外が続いています。
南海トラフ地震への対応は想定済み、とされていますが
想定外の被害は出るのか?出ないのか?
想定外のリスクはゼロに近いので、大丈夫と考えるか。
万が一、被害が出れば、夢洲だけで大阪市の年間税収を超えるレベルで被害が出るかも?な危険な賭けはしたくないか。
どちらを取るのか? 大阪市民が決めるべきだと思います。
※これまで売却した土地は契約で
「瑕疵担保責任は負わない」としているため、
汚染土砂に起因して処分費用が増額されても、大阪市は費用負担したことがありません。
今回、商業地として活用するから大阪市負担で、と松井市長は言いますが、
これまで通り、工業地・準工業地として売却・賃貸すれば、これら費用は不要です。
大正区のIKEAとの契約は商業地ですが、
「事業者は汚染されていることを承知」「大阪市は瑕疵担保責任は負わない」という契約。
なぜ急に、大阪IR・夢洲の国際観光拠点だけ、
大阪市がほぼすべて負担することになったのでしょう?
【参考:22/1/23 朝日新聞】
関西万博・IR予定地の整備費2300億円上ぶれ 想定の甘さ露呈
巨額の追加費用が生じていることについて、松井市長は「試算が甘かった」「市の品質管理が非常にずさんだった」と認めつつ、いずれも容認する姿勢だ。
「ベイエリアを大阪のにぎわいの拠点としたい」
ー----
▼夢洲は、関西・西日本の物流の中心拠点。
大阪港で大型コンテナ船が通れるのは「夢洲」だけ。
埋立が終われば、物流拠点として拡充。
万博で土地売却がストップするまでは、順調に利用されていました。

▼物流拠点だけで、いっぱいいっぱい。
夢洲内はヤード面積不足。海も沖待ちが常態化。周辺道路は渋滞。
埋立完了部分に、集客施設分のキャパがありません。

▼大阪府レッドリスト生物多様性Aランクのホットスポット
有害物質だらけ…のはずが、夢洲は人が意図せず、自然にできた「渡り鳥の楽園」。
南港野鳥園・夢洲はセットでホットスポット。
絶滅危惧種コアジサシの繁殖活動地としてだけでなく、季節性渡り鳥が
ネイチャーおおさかさんは「ラムサール条約登録湿地」への登録を目指し、活動されています。

(ネイチャーおおさか「夢洲の12か月」より)
世界中で、産業廃棄物処分地を、自然再生地域事例として活用されるケースが多数あるのだとか。
▼夢洲の埋立は「最終処分地が必要」が、そもそものスタート。
オリンピック招致(1992年以降)のため、埋め立てたわけではありませんのでご注意を。
一般廃棄物の処分場不足や、
市内公共工事で発生する大量の建設残土、浚渫土砂(※)を処分する処分場を確保するため、1977年、護岸工事に着手。
※港湾・河川などの底面をさらった土砂。
夢洲には、高度成長期の工場排水等の浚渫土のため、ダイオキシン・PCB・ヒ素・フッ素・鉛等の有害物質が含まれる。
大阪市が唯一もつ、現役の最終処分地、夢洲…。
最終処分地として、大活躍中です。
(あと10~20年と使えたはずが、万博で埋め立てたため、寿命は縮まりましたが)
まだ登記上は陸地ですらない。「海」ですし。

▼処分場には限りがある
大阪市が埋立できる海は、あと下図の太赤丸あたりしか残っていません。
夢洲に高層建築物などを開発すれば、大量の残土・汚泥が発生します。
(IR事業用地だけで、約300万㎥!の残土・汚泥)
ここで気になるのが
「最終処分地・夢洲に捨てた土砂を、開発で掘り返して、いったいどこに捨てるのか?」問題です。
夢洲(無料)で収まらなければ、新島(有料)の処分地へ…。
新島の次は、太赤丸部分の1か所が最後です。
数千億円単位でかかる「新しい最終処分場」への投資を「前倒し」せざるを得ません。

万博・カジノのために、無理くり急速埋立していいのか…。
従来の物流拠点の拡充なら、そのまま盛土して使えるのに。
将来世代の最終処分場を奪っているんですが。
▼土地改良費にどんだけ?
夢洲は開発するほど、コストが増える
護岸設計や埋立方法も、高層の集客施設を作ると想定されていません。
夢洲は豆腐のような軟弱地盤と言われる場所。
(50m級の杭を何本も打つ必要あり。ちなみに、WTCで400本)
その上に埋めた建設土砂・浚渫土砂の土壌汚染も懸念。
(アスベストの入った建設土砂、ダイオキシンの入った焼却灰、高度成長期の川・海の底の土砂…)
災害対策として、津波・高波・越波対策も必要。
東日本大震災では、津波の1.5倍~4倍もの遡上高が発生。
(ここは想定されていない)
急速埋立のため、水抜きも不十分。
メタンガスもこれからまだまだ出るので、防爆対策も必要。
液状化も懸念。
(対策はしてるものの、阪神淡路大震災で六甲アイランドは液状化し、大丈夫だったはずの護岸が崩壊)
地盤沈下も、人工島の宿命。
(50年は大丈夫と書かれてるけど、大阪IRは65年のライセンス)
参考:【報道紹介】夢洲は人工島の宿命「地盤沈下」は避けられない。水中ではコンクリートも「もなかの皮」のようなもの~テレビ大阪21/9/22
地中障害物撤去も必要。
(万博部分は調査もまだ。何が埋まっているのか分かりません)
ついでに言えば、万博会場の「グリーンワールド」=夢洲1区は、過去の大阪市との協議で
「有害物質があるから万博会場には使用しない」
としていたのに、いつのまにやら万博会場に…。
(車での来場客は必ず通ります。エントランス、屋外イベント広場、フューチャーパーク等に利用)
今だメタンガスは止まっておらず「立ち入りできない」場所。
「使わないはずだったのに、なぜ万博会場に使うことになったのか?」
その経緯を情報公開請求しても、「文書がない」との回答です。
▼(松井市長 2016年12月)
「IRは民設民営事業なので、公でお金を出すものではない」
(吉村洋文知事、2021年7月21日)、
「事業者がお金を払って建ててくれる。市は家賃をもらうだけ」
(松井一郎市長、20年10月23日)
松井市長が「大阪市の土地だから対応するのが当然」との発言から、大阪市の負担・将来リスクが格段に増えました。
これまで土地改良について、大阪市は費用負担したことがありません。
なぜ急に、大阪IR以降、大阪市が負担することになったのでしょう?
その経緯の資料は黒塗り。いまだ、明らかになっていません。
負担する、と最近分かったのが、IR事業用地の土地改良に790億円かかること。
しかもIR事業用地だけでない。万博跡地の開発も…。
含めると、夢洲の土地改良費だけで、1582億円。
(過去の投資は含まず、これからの予定だけで)
全体で2482億円。。。

・夢洲 2021年度以降:2,482億円(土地造成、道路、上下水道、鉄道等)
※上記金額には夢洲における土地関連費用(土壌汚染対策費、地中障害物撤去費、液状化対策費)1,578億円を含む
2482億円とは、大阪市年間税収(7500億円)の1/3の規模。
大阪市民一人当たり、約9万円の負担です。
想定外に、今回IR事業用地に790億円増
想定外に、メトロ延伸も96億円増
想定外に、万博へのアクセス改善のための淀川左岸線は、土壌汚染のため700億円増
…
想定外が続いています。
南海トラフ地震への対応は想定済み、とされていますが
想定外の被害は出るのか?出ないのか?
想定外のリスクはゼロに近いので、大丈夫と考えるか。
万が一、被害が出れば、夢洲だけで大阪市の年間税収を超えるレベルで被害が出るかも?な危険な賭けはしたくないか。
どちらを取るのか? 大阪市民が決めるべきだと思います。
※これまで売却した土地は契約で
「瑕疵担保責任は負わない」としているため、
汚染土砂に起因して処分費用が増額されても、大阪市は費用負担したことがありません。
今回、商業地として活用するから大阪市負担で、と松井市長は言いますが、
これまで通り、工業地・準工業地として売却・賃貸すれば、これら費用は不要です。
大正区のIKEAとの契約は商業地ですが、
「事業者は汚染されていることを承知」「大阪市は瑕疵担保責任は負わない」という契約。
なぜ急に、大阪IR・夢洲の国際観光拠点だけ、
大阪市がほぼすべて負担することになったのでしょう?
【参考:22/1/23 朝日新聞】
関西万博・IR予定地の整備費2300億円上ぶれ 想定の甘さ露呈
巨額の追加費用が生じていることについて、松井市長は「試算が甘かった」「市の品質管理が非常にずさんだった」と認めつつ、いずれも容認する姿勢だ。
「ベイエリアを大阪のにぎわいの拠点としたい」
ー----
▼夢洲は、関西・西日本の物流の中心拠点。
大阪港で大型コンテナ船が通れるのは「夢洲」だけ。
埋立が終われば、物流拠点として拡充。
万博で土地売却がストップするまでは、順調に利用されていました。

▼物流拠点だけで、いっぱいいっぱい。
夢洲内はヤード面積不足。海も沖待ちが常態化。周辺道路は渋滞。
埋立完了部分に、集客施設分のキャパがありません。

▼大阪府レッドリスト生物多様性Aランクのホットスポット
有害物質だらけ…のはずが、夢洲は人が意図せず、自然にできた「渡り鳥の楽園」。
南港野鳥園・夢洲はセットでホットスポット。
絶滅危惧種コアジサシの繁殖活動地としてだけでなく、季節性渡り鳥が
ネイチャーおおさかさんは「ラムサール条約登録湿地」への登録を目指し、活動されています。

(ネイチャーおおさか「夢洲の12か月」より)
世界中で、産業廃棄物処分地を、自然再生地域事例として活用されるケースが多数あるのだとか。
緑が少ない大阪。
いざという時、災害時のがれき置き場もない。
夢洲を開発して、想定外のコスト増やすより、
いざという時、災害時のがれき置き場もない。
夢洲を開発して、想定外のコスト増やすより、
最終処分地としてぎりぎりまで有効活用して埋め立て、
終われば物流拠点を拡充しつつ、自然再生地域として活用してはどうなんでしょう。
▼私たち夢洲懇談会は、2019年4月開催「夢洲の都市計画変更素案」説明会を契機に、
「夢洲のような埋立地の地盤の弱い人工島に、集客施設を作ってもいいの?」
「物流拠点と集客施設の併存は不可能では?」
という疑問を持つ団体・個人のネットワークで、
夢洲の都市計画変更を考える市民懇談会(略称:夢洲懇談会)です。
FB、Twitterもフォローよろしくお願いします。
終われば物流拠点を拡充しつつ、自然再生地域として活用してはどうなんでしょう。
▼私たち夢洲懇談会は、2019年4月開催「夢洲の都市計画変更素案」説明会を契機に、
「夢洲のような埋立地の地盤の弱い人工島に、集客施設を作ってもいいの?」
「物流拠点と集客施設の併存は不可能では?」
という疑問を持つ団体・個人のネットワークで、
夢洲の都市計画変更を考える市民懇談会(略称:夢洲懇談会)です。
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